失われた夜の歴史

失われた夜の歴史

失われた夜の歴史

 

1400〜1800年代に縛り、なおかつその時代を生きる中流から下流の民衆の生活にスポットをあてている。

王侯貴族の項目もあったけど、本当に少ない。

でも民衆がいかに過酷な生活下のなかで、夜に対する恐怖への対処を考えていたかがわかって面白かった。

現代のアメリカ以上に殺人事件が多かったと言われているこの時代。事件、事故、強盗、喧嘩など人間同士の問題で命を落としかねない状況にくわえ、この時代はまだまだ目に見えないものへの恐怖が強かった。そして火事。

これらの対策を、夜を迎えるたびにおこない、人々はひたすら夜への恐怖に耐えて過ごす。一般民衆の日記などをもとに作られているこの本からは、当時の人々が神経質までに夜間の侵入者や火事などにおびえていることがうかがい知れる。それほどまでに自分の身を、そして家族を守らなければならない過酷な時代だったのだ。

 

多くの人々が警戒する夜を過ごす一方で、夜、飲みに出かけていく者が多かったようだ。しかし召使いやパン屋、粉屋など、休みなく労働をしている者たちも、夜間は明け方近くまで働いた。

 

通読をするには軽い気持ちではつらい本ではあるが、項目が細かにわけられているので、辞典のように興味のあるところを拾い読みするのも楽しい。内容は、当時の日記などからのエピソードを主に扱っているので、私のように歴史に詳しくない人間でも非常に楽しんで読める。

西欧の歴史が好きな人にはオススメの本である。